故郷(ふるさと)スケッチコンサート

コンサート日記2

故郷(ふるさと)スケッチコンサート

故郷の素晴らしさは、そのまちをはじめて訪れる旅人がいちばん良く知っている。澄み切った空気、山から見下ろす田園風景、夜空に広がる満点の星屑達。なんて贅沢なことだろう。

宝物のようなまちの景色が無防備なまでに目の前に広がっている。地元住民から見ると当たり前、でも旅人にとってみれば生涯の貴重な思い出になるかもしれないのだ。そんなまちの尊い財産を地元の人たちが見つめ直し、「ふるさと」に対する思いをあらためて感じることができたなら素敵だな、と思っていた。

2012年9月19日、その思いは実現した。
9月とはいえこの年に限ってはまだまだ夏の暑さを残し、外を歩くにもTシャツ1枚で過ごせるくらいの日々が続いていた。タイトルは『故郷スケッチコンサート』場所は寿都町。日本海に面した人口4千人の小さな港町がその舞台だ。「地元の住民が故郷をあらためて発見するコンサート」というテーマにした。

出演者は細坪基佳、五十嵐浩晃、堀江淳、Voiceの北海道出身アーティスト達。今は東京を始め全国各地を拠点にしているが、もちろん北海道には深い愛着を持っている。そして寿都町にはまだ来たことがないというメンバー。

本番の一日前に寿都入りした。懐かしい顔が集い、すでに同窓会気分。寿都の新ご当地グルメ、熱々の鉄板にのった「寿都ホッケめし」をハフハフ言いながら食べ終えると、皆のテンションは一気に上がった。

いよいよ故郷スケッチの始まりだ。出演者は二手に分かれてそれぞれのコースを巡る。気に入った風景を撮影したり、地元民と会話を楽しんだり、ショッピングをしたり。何気ない故郷スケッチを通じ、新鮮な感動を翌日のコンサート会場で、映像を通じて発表するという指向だ。

道の駅で手づくりジャムを買ったり、間近で見る風力発電所の風車に驚いたり。磯谷高原では羊蹄山や一面に広がる水田、積丹半島、寿都湾など、360度のパノラマ風景に圧倒され、水産加工場で働く中国の若い女性達や寿都高校の生徒達とのふれあいも楽しんだ。そしてこの日の最後は寿都温泉へ。さらに翌日、コンサート当日の朝5時過ぎに漁船に乗船させてもらい、水揚げや、朝市でのせりも見学した。半日の小さな旅ではあったが、大いに見て触れて体験して、コンサート直前の、充実した故郷スケッチになった。

さて本番を迎える。何せ当日の朝までまち探索をしていたものだから、リハーサルのギリギリまで映像上映の編集作業は続き、なんとかギリギリ間に合わせた。会場の寿都町総合文化センターには開演に向けて続々とお客様が集まってきた。満席の会場でいよいよスタート。

オープニングは寿都の美しい風景やノスタルジックな音楽と共に、故郷をイメージする映像の上映。引き続きVoiceの二人による『24時間の神話』へつながる。その後「故郷スケッチVoice篇」へ。映像の中でちょっとしたエピソードも紹介された。

前日故郷スケッチをしながら海岸沿いを歩いていると、マネジャーがいない事に気づく。びっくりして辺りを探しているとなんと防波堤の下に降りてアワビの貝殻を拾っている姿を発見。実は彼は貝殻細工をするのが趣味のようで、格好の素材が揃ったと満足げに話し、メンバーも苦笑い。実はアワビの貝殻はなかなかいい形のものは見つけにくいらしい。そんな写真も披露された。

Voiceのステージは和気あいあいと進んだ。続く堀江淳のステージも故郷スケッチを交えながら進行。今回各自デジカメを持参で散策に望んだが、彼の撮影は一級品。臨場感ある風車の姿や、磯谷高原から見下ろす壮大な風景など、大きなカレンダーやポスターにしたいほどの見事な仕上がりで、アーティストとしての別の側面を見た気がした。

続く五十嵐浩晃のステージ、故郷スケッチは、彼の独自の世界観が会場を和ませた。まちを歩いている途中でトノサマバッタと出くわし、見事捕獲するまでのプロセスを写真で披露。また街角のユニークな看板やさまざまな空の表情など、新たな視点で楽しませてくれた。さらにコンサート当日早朝の漁船体験では、波しぶきを浴び、大きく揺れる船に身を任せながら、巨大な網にかかる鮭やホッケ、サメなどを見た喜び、写真だけでは表わせない感動の詰まったひと時を語ってくれた。

コンサートの最後は細坪基佳。まちの歴史や地元寿都町民のあたたかさに触れ、寿都高校では今回のコンサートポスターを制作した女子高生とご対面。一緒に記念撮影をしたシーンを紹介した。

そしてコンサートの最後には再び寿都高校生の皆さんが花束を持って会場に駆けつけてくれた。アンコールは観客と一体となった『ふるさと』の大合唱。地元コーラス隊と共に会場を盛り上げた。

出演者がそれぞれの目線と感性で楽しんだ寿都町での「故郷スケッチ」は、会場に集まった大勢の地元住民にとっても大きな刺激となったに違いない。最後に、スタッフの宿泊先『民宿みはら』の‘ママ’には面白い話を沢山聞かせていただき、今回の寿都のコンサートの旅をさらに印象深くさせてくれたことを付け加えておく。

『故郷スケッチコンサート』2012.9/19(水) 寿都町総合文化センター「ウィズコムホール」にて実施。道内出身の4組のアーティストが、前日故郷スケッチを体験。ステージでその模様を映像で紹介しながらコンサートを行った。2時間半のステージ。324名。満員御礼。
*文章内に出てくるアーティスト名は敬称略させていただきました。

『故郷スケッチコンサート』のポイント

ポイント1
全国で活躍中の道内出身アーティストが一同に集結! 全国各地それぞれの活動場所から、北海道・寿都町に4アーティスト総勢6名が集まり ‘故郷をスケッチする’という画期的なオリジナルコンサートが実現しました。

ポイント2
喜びを共有できる貴重な体験! 故郷スケッチにあたり、寿都町役場をはじめ、各施設・企業・商店の皆様の多大なご協力をいただきました。まちと住民、そして出演者が一体となった企画は、多くの想い出を残す貴重な体験となりました。

ポイント3
圧倒的な集客力! 地元と一体となったコンサートの準備活動を通じ、「行きたくなるコンサート」を口コミを通じて訴求。最終的な集客にも充分な効力を発揮することとなりました。